年賀状を送る際、挨拶文だけでなく一言添え書きするのは、もはやマナーと言って良いでしょう。
ビジネス関係では特に失礼のないよう、どのようなことを書くと良いのか悩む人も少なくありません。
ここでは、年賀状の挨拶文や一言添え書きを書く際のポイントについて紹介します。
さまざまなパターンを想定した例文もあるので、参考にしてみてください。
スポンサーリンク
親や親類、恩師など目上の方への添え書きを書く際のポイント
新年の挨拶をメールやメッセージアプリなどのやり取りで済ませる人も増えてきました。
しかし、やはり形として残る年賀状は、もらうと嬉しいものでしょう。
直筆のメッセージが添えられていると、それだけで特別なものになります。
今では新年の挨拶の文面や宛名なども全て印刷されたものが一般的になりましたが、添え書きは手書きという人がほとんどではないでしょうか。
ほんの一言であっても、その人だけのメッセージは心のこもった贈り物と言えます。
しかし、1人ひとり書くとなると通り一遍の文句しか浮かばないこともあるでしょう。
特に祖父母や両親、親戚、恩師など目上の方への添え書きは、砕けすぎていないか、礼儀を欠いていないかなど、気になる方も多いと思いますので、添え書きを書く上で押さえておきたいポイントをいくつか紹介します。
手書きで書こう
パソコンの普及により、手書きで記すことが減ってきました。
挨拶文も宛名も全て印刷された文体であることがほとんどでしょう。
手書きでは失敗してしまうと、書き直さなければならなかったり字に自信がないと書くのが辛かったり、書くのに時間がかかったりします。
その点、印刷では失敗も少なく時間の短縮にも繋がるでしょう。
こうしたメリットの多い印刷ですが、反面、字という個性がそぎ落とされることで、温かみを感じにくいというデメリットも存在します。
挨拶文や宛名に関しては印刷でも問題ありませんが、添え書きに関しては、「あなたにだけ贈る言葉です」という意味を込めて、手書きが望ましいでしょう。
年賀状におけるマナーは押さえておく
賀詞や句読点の有無など、一言を添える年賀状自体にもマナーが存在します。
まず、「謹賀新年」や「迎春」などの賀詞です。
一文字の「寿」や二文字の「迎春」「賀正」などは目上の方には失礼にあたるため、「謹賀新年」や「あけましておめでとうございます」などを用いるようにしましょう。
また、手紙では読みやすいように句読点を用いますが、年賀状では句読点を打たないのがマナーとされています。
ただし、必ずしも句読点を付けてはいけないわけではないため、相手との関係によって読みやすさを重視しても問題ないでしょう。
さらに、ついつい書いてしまいがちな「去年」という言葉ですが、これは「去る」という言葉が忌み言葉にあたるため、年賀状にはふさわしくありません。
例文はあくまで参考程度で、中身は自分の言葉で書こう
添え書きを書こうとする気持ちはあっても、言葉が見つからず例文をそのまま書き写してしまいたくなるでしょう。
それほど関係の深くない相手であれば、通り一遍の添え書きでも問題ありませんが、ある程度親しい間柄なのであれば、内容はほぼ例文通りであったとしても自分の言葉に言い換えて書くようにしましょう。
エピソードを交えて書こう
自分の身に起こったエピソードを1つ添えて書くと、文字を超えて人となりが見えてきます。
引越しや家族が増えた、家族が進学したなど、身近な出来事を簡単に書くと良いでしょう。
何も書くことが浮かばない場合は、体調を気遣う
何年も会っていない、疎遠になっているという場合、どういうことを書いて良いのか悩むでしょう。
エピソードが何も思いつかない、書くべきことがない、という場合は時候の挨拶と体調を気遣う言葉を書き添えると良いでしょう。
では、実際に目上の方への年賀状に書き添える例文を紹介しましょう。
両親や親戚、恩師など目上の方への添え書きは、親しみを感じる文面が大切です。
失礼のないように注意するのはもちろんですが、堅くなりすぎると他人行儀にも感じるため注意しましょう。
目上の方への一言添え書きの例文_1
こちらはお陰様で家族一同元気に暮らしております
こちらの近況を伝える場合は、「お陰様で○○もこの春高校に進学することとなりました」など、具体的な家族の近況を交えた文面も良いでしょう。
目上の方への一言添え書きの例文_2
寒い日が続きますがくれぐれもご自愛ください
相手を気遣う言葉はどんな立場の人にも使用できます。
他に、「寒さ厳しき折どうぞ風邪など召されませんよう」といった表現もあります。
体調を気遣う言葉は思いやりを感じる言葉として相手にも思いが伝わるでしょう。
目上の方への一言添え書きの例文_3
みなさまお元気で幸多き年となりますように
相手の家族も知っている場合は、他にも「お子様も大きくなられたでしょうね」のように、家族に対する気遣いの言葉を添えると良いでしょう。
目上の方への一言添え書きの例文_4
近いうちにお伺いできればと思っております
もしくは、「こちらにお立ち寄りの際はぜひ遊びに来てください」のように書き添えても良いでしょう。
目上の方への一言添え書きの例文_5
ご無沙汰しておりますがお変わりなくお過ごしですか
疎遠になっている親戚やなかなか会えない恩師などには、疎遠を詫び、気遣う言葉を添えます。
スポンサーリンク
ビジネスで使える添え書きの例文
ビジネスにおいても、一言を添えるか添えないかで印象が随分変わります。
印刷された文字だけの年賀状は事務的な印象を受けますが、一言添えてあるだけで温かみを感じるでしょう。
ビジネスで年賀状を送る相手としては、上司や同僚、部下、さらには取引先やクライアントが多いのではないでしょうか。
それぞれ送り先ごとに例文を紹介します。
上司向けの一言例文
・昨年は格別のご指導を賜り心よりお礼申し上げます
・いつも温かいご指導を賜り、感謝しております
・本年もご期待に添えるべく精進いたします
・○○の案件では大変お世話になりました
・昨年いただいたご指導を生かせるよう努めてまいります
上司に対する添え書きでは、日頃の感謝とともに、今後の目標を書き添えます。
具体的にお世話になったプロジェクトや案件がある場合は、その件について触れるとより印象的でしょう。
部下や同僚向け一言例文
・ともに飛躍の年にしましょう
・さりげないフォローやアドバイスにいつも助けられています
・いつも話を聞いてくれてありがとう
・お互いに成長の一年となりますように
・○○のプロジェクトの成功に向けて一緒に頑張りましょうね
部下や同僚への添え書きは、連帯感を出し、感謝や尊敬の念を表す文が良いでしょう。
親密度によって異なりますが、会社関係の仲間のため、砕けすぎないように注意します。
取引先やクライアント向け一言例文
・本年も御社のお力になれるよう社員一同精進いたします
・○○の件では大変お世話になりました
・今年もお引き立ての程よろしくお願い申し上げます
・本年もお力添えの程よろしくお願いいたします
・御社の益々のご発展をお祈り申し上げます
取引先やクライアントに向けては、日頃の感謝はもちろん、今後の付き合いや協力をお願いする文を添えると良いでしょう。
まとめ:添え書きは気持ちを添えること
デザインで印刷された年賀状では、整った綺麗な字が並び美しくはあるもののオリジナリティを感じられないというデメリットがあります。 その中で手書きによる添え書きは、たった一言であっても送った側の「心」が伝わるものでしょう。 こうした思いやりの言葉は、親戚や友だちへの年賀状だけでなく、ビジネス年賀状においても喜ばれます。 ビジネスではマナーが重視されがちですが、相手を思いやる気持ちが何よりも重要でしょう。