AIや5G、キャッシュレスシステムなど、IT企業に関するトピックには事欠きません。
さまざまな産業の構造が変化するなか、消去法的に伸びしろがあって売り手市場になっているIT業界を転職先として検討する人も多いと思います。
しかし、IT企業に転職できたとしても必ずしも、やりがいを持ちながら安定的に働けるとは限りません。
この記事では注目されているIT分野や仕事、何を重視して転職先を選ぶべきかなどを紹介します。
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目次
IT業界は安定して働けるのか?5つの注目分野を検討
転職活動においてまず重視したいところは、その業界全体に活気があるか、これから伸びしろがあるかということです。
この意味でIT業界は他の業界に比べて魅力的といえます。
金融系や自動車産業、農業に至るまであらゆる業界でIT化はさらに進むでしょうから、長期的に安定して働きやすいと考えられます。
日本ではIT業界で人材不足が進んだ結果、国が主導して人材を育てる動きも出てきており、2025年までに情報通信技術者を200万人まで増やすなどの計画を立てています。
人材が十分に確保されるまでは完全に売り手市場と予想されていますから、好条件で転職できるかもしれません。
しかし、IT企業同士の競争も激しいため、安定して雇用され続けるとは限らない面も考えておく必要があります。
他の業界業種でも当然失業リスクはありますが、できるだけ将来性があり有望な分野を選んで転職先を探すのは重要なことです。
ここでは、これからの転職先としても注目されているIT業界の分野を5つ紹介します。
AI関連
野村総合研究所によると、2030年ごろまでに実現されるのではないかといわれているのが「リアルワールドとの融合」「インテリジェンス化」「ナチュラルインターフェイス」など。
要するに車の自動運転などが実用化して便利なAI搭載機器が普及し、高度な性能によって人間に近い振る舞いをするようになるというものです。
とはいえ、こうした技術の開発に携わる仕事をするとなると、高度で幅広いスキルが必要になってきます。
特に社会人で転職を考える場合、即戦力が求められる場合が多いのですでにこのような業界で働いていないと厳しいといえます。
未経験者でこれからAI関連の仕事に就きたい場合は、現実的に考えると、企業に導入が進んでいるAI搭載のMA(マーケティングオートメーション)ツール、個人が利用するアプリなどのユーザーインターフェースや通信部分などの開発に参加する、あるいは提案、販売するなどの仕事から入って経験を積んでく方法もあります。
5G関連
インターネットが中心の情報社会で、無くてはならない技術分野と言えるのが無線技術です。
既に5G技術に対応したサービスやアプリなどが急速に増えており、注目されているのは間違いありません。
通信速度が速くなれば多くの人の目を引くようなコンテンツに変えたい企業が増えるでしょうから、Webエンジニアやネットワークエンジニアなども需要が高まってくると思います。
セキュリティ管理やサーバー負荷などを解決するサーバーエンジニアの仕事も増えるでしょう。
ビッグデータ関連
ビッグデータ活用で重要になるのはデータを処理する技術者です。
それに伴いデータサイエンティストに対する需要が急速に高まっています。
最適なオンライン広告の配信を分析したり、AIに学習用のデータをインプットして在庫管理の効率化を図ったりします。
高収入が見込めますが高度な知識を求められるため、転職できるかどうかは本人の能力によるところが大きいでしょう。
データサイエンティストの人材の数自体が少ないことから企業が人材を育てようとする動きもありますが、転職においてはある程度即戦力が求められます。
キャッシュレスシステム関連
キャッシュレスシステム関連はサービスが乱立している状態なので、今後、統合が進む可能性が高いといわれています。
その意味では仮想通貨やキャッシュレスサービス自体を提供する企業への転職は、仕事内容や会社自体が都度変わる可能性があり、そういったリスクがあるといえるでしょう。
国の「キャッシュレスビジョン」によると2025年までにはキャッシュレス決済率40%を目指すという方針です。
特別な技術を持っていない場合は、中小規模の企業、店舗などに対するキャッシュレスシステム導入のためのITコンサルタントや営業などの仕事もあります。
コンサルタントや営業の仕事は1日中パソコンに向かう技術職と違い、お客さんなど人とのコミュニケーションができるので、人と直接関わる仕事がしたい方には良いでしょう。
IT業界に転職して何をしたいのか具体的にイメージするのが大事
IT業界に限らずですが、転職するにあたっては自分が何をしたいのか明確化してイメージを固めることが重要です。
中長期的にどのようなスキルを身に付けたいのか、どのような業務を担当したいのかなどを自分の中で整理してから転職活動をしたほうがいいといえます。
たとえば、AIの開発に従事したい場合やデータサイエンティストとして活躍したいなら、長期的に腰を据えて専門分野を勉強する必要があります。
プログラマーやエンジニアとして働きたいなら基本情報技術者などの資格は持っていたいですし、分野に応じてHTML5プロフェッショナルやPHP技術者の資格なども取得しておいたほうが転職に有利です。
資格も経験も無いといった未経験者でも比較的働きやすいのはテクニカルサポートや、キャッシュレスシステム導入の提案、運用のサポートをしたりするなど技術営業職のような仕事です。
このような職場で働きつつスキルを身に付けていくというのも選択肢のひとつになります。
充実感を持てる転職先を選びたい
ある程度自分が好きな分野で充実感や、やりがいを持てる業務でないと仕事が長続きしません。
人生のかなりの部分は仕事の時間ですから、自分に合わない仕事を選ぶと精神的にも肉体的にも参ってしまいます。
安定や世間体、仕事のイメージを気にして仕事を選ぶより、自分にとっての充足感や楽しいと思えることを重視して仕事を選んだほうが、豊かな人生を送れるでしょう。
たとえばプログラマーなどの職に就けば、プロジェクトの進行状況によって長時間残業することもあるでしょう。
かつてのIT業界でありがちだった長時間労働の問題や、技術進歩が急速なことから35歳ぐらいでキャリアが終わってしまうといった問題はやや改善されてきている点は安心できます。
一般社団法人 情報サービス産業協会の調査によると、IT企業354社の平均残業時間は1日2時間程度で有給消化率は約55%ということです。
また、10年以上の定着率も6割を超えているということです。
IT業界では、いち早く働き方改革で推奨されているようなテレワークなど多様な働き方が進むことも期待されています。
充実感を持って良い仕事をするには肉体の休息も必要ですし、精神が満たされるよう趣味や遊びも必要です。
ライフ・ワーク・バランスも含めて充実感を持って働きやすい転職先をみつけたいところです。
転職サイトやエージェントの活用もしてみよう
インターネットでIT業界への転職方法について検索してみると、一般的な転職サイトや転職エージェントに加えてIT業界に特化したサービスも数多く見つかります。
自分で求人情報を収集するなどして転職先を探すのはやはり大変ですし、本当に自分に合った業務内容や社風なのかなど詳しい情報も気になります。
そこで、IT企業や転職市場に詳しい転職サイトや転職エージェントサービスなどに登録して活用することも選択肢の一つです。
転職サイトは自分のペースで活動しやすいのがメリットですし、転職エージェントは業界情報を教えてくれたり自分に合った転職先をみつけるためのカウンセリングをしてくれたりするなど手厚いサポートが魅力的です。
これらも上手に活用しながらIT企業への転職を成功させたいところです。
関連記事:転職エージェントとは?転職サイトとの違いや役割、仕組みをご紹介
まとめ:やりたい仕事・充実感を優先してIT企業を選ぶことが大切!
IT業界はこれからも伸び続けることが予想されています。
人材不足の状況もあり、よい条件で転職できるチャンスも増えている業界です。
AIや5Gキャッシュレスシステムなど、世の中を大きく変えてくれそうなキーワードもたくさん出てきており、企業は優秀な人材を積極的に求めています。
しかし、IT企業に転職できたからといっても、これからの人生が充足して安定するとは限りません。
自分がやりたい仕事を選び、充実感を持って長く働ける仕事を探すことが人生の豊かさに繋がっていきます。